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剣に秘められし七色の裁きを受けよ
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鳥籠
駄文もここに極まれり。
作文で褒められたことのない私めが、ちっこい妄想をぽちぽち「雑記」というカテゴリで投げていこうと思います。
自覚はありますが、指摘されると落ち込むので優しい気持ちで眺めてください。






椅子、テーブル、ソファーにベッド。上品な色でまとめられたそれらは高級な物であるだろうに、鉄格子のついた窓のためにその部屋はどこか重苦しく感じた。 
実際此処はこれから私の檻となるのだ。 そう考えると、あちら側の従者が後ろに控えているにも関わらずため息が出てしまいそうになる。


「御用がありましたらこれを鳴らし下さいませ。」
「…はい、」


ガチャリ、と直後に音が響く。鍵など…かけずとも逃げようはないのに。

鉄格子の間の細い隙間から外を覗くと、広大な大地が彼方に見えた。見晴らしのいいこの場所は、人が歩く地面からも遠い。これでは万が一格子が外れようとも降りるのは難しいだろう。目の前には美しい景色があるのにそんな事しか考える事ができない現状が寂しく感じた。




かの国はあちらだろうか
そしてかの人も。

売られて行くあの日、一目見ることだけは叶ったが、あれは本来許される行為ではない。 


「仮にも王族を送り出す花道で、“助けにいく”なんて叫んだら…」


…彼は、無事なのだろうか。


「ううん、無事、だよね。たかが異端の王子を売り飛ばす壮行式だもの。命まではきっと…」


生きてくれていればいい。


あの言葉が叶う日はきっと来ないけれど、信じていればこの先もずっと自分は耐えていけるから。
 



ふと落とした視線の先に、小さな影がなった。

 チュンッ

「あれ、どうしたのきみ?」

手を伸ばすとちいさな鳥は大人しく撫でられる。 迷い込んだのだろうか…
温かい身体と滑らかな翼をしばらく堪能して、両の手にくるんで格子の間から出してやった。

「おいき、きみまで檻にはいることはないよ」

言葉がわかったのかのようにひとつ鳴くと、小さな羽根を残し飛び去っていく。
はばたきの音は心地よく、飛び立った空はとても美しく見えた。 



「どうか…自由に」


それだけで私は救われるのだから。





 

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